渡辺曜研究委員会

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ポプテピピックは本当にクソアニメなのか?

2018年1月6日(土)より放送開始のTVアニメ『ポプテピピック』1話・2話の感想・レビュー記事です。

【更新履歴表】

*2018年1月7日・初投稿

*「1-1. TVアニメ1話で登場した原作ポプテピピックコマ」ほか追記しました【2018年1月8日・追記】

*「6. ポプテピピック2話を見た感想」追記しました【2018年1月14日・追記】

1. ポプテピピック1話の内容

内容については説明するのが面倒なので上のニコニコリンクから見るか、ハフィントンポストの記事でも見て下さい。

www.huffingtonpost.jp

nlab.itmedia.co.jp

まあ一言でいえばまごうことなき「クソアニメ」なのですが、これをクソアニメと呼ぶには非常に抵抗がありますし、また葛藤があります。ここでは「クソアニメとはなんなのか?」という問いについて考えていきます。

あと元ネタとかは下記の記事が詳しかったのでリンクを張らせていただきます。

blog.livedoor.jp

上の記事には載ってませんでしたけど、ほかにもけものフレンズとかプリパラもありましたねー。正直どこまで元ネタがあるのかはまったく見当がつきません。でもEDをアロマゲンドンの2人に歌わせたのは手放しでほめたいですね。

1-1. TVアニメ1話で登場した原作ポプテピピックコマ

こちらではTVアニメ「ポプテピピック」1話「出会い」に登場した原作の4コマ部分を一部紹介します。

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↑画像は〈ポプテピピック (バンブーコミックス WINセレクション)〉16頁より

ちなみに上のコマも含めて、一部ですが下記リンクから原作四コマの試し読みができますよ。

mangalifewin.takeshobo.co.jp

下記は試し読みでは対応していない原作1巻の四コマになります。

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↑画像は〈ポプテピピック (バンブーコミックス WINセレクション)〉20頁より

日高さんと大塚さんの「カツ丼くえよ!!」の言い方の違いなどが面白かったですね。

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↑画像は〈ポプテピピック (バンブーコミックス WINセレクション)〉47頁より

この4コマをあの特徴的なアニメーションに落とし込んだのすごくないっすか?

 

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↑画像は〈ポプテピピック (バンブーコミックス WINセレクション)〉69頁より

ここ原作でははっきりとは示されていませんが、アニメ1話ではばっちりマリオワールドになっていましたね。


 

2. 渡辺総研のポプテピピックについての所感 

漫画1巻は持ってたのですが、あんまり面白くねえなあと思っていたのが正直なところです。いわゆるTwitterなどのコラ画像としてみれば優秀なのですが、漫画本編としてはクスっと笑う程度の不条理ギャグ(?)という印象です。世間ではサブカルくそ女に受けている漫画との言説があります。

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↑画像は〈ポプテピピック (バンブーコミックス WINセレクション)〉111頁より

当ブログ的な紹介の仕方をするのであれば、TVアニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』のスクールアイドルユニットAqoursのキャストを務める逢田梨香子さん(りきゃこさん)や小宮有紗さん(ありしゃさん)、小林愛香さん(あいきゃんさん)は過去にポプテピピックカフェに行っていたようですね。逢田さんについては本編を視聴していた旨をツイートしています。

3. ポプテピピックは本当にクソアニメなのか?

いやまあ「クソアニメ」なんですけれども。

ここではその他のTVアニメと比べてどのような「クソアニメ」なのかについて考えてみたいですね。

3-1. おそ松さん1期1話との比較

TVアニメ1話でいろいろやらかしたアニメといえばおそ松さん1話があげられます。

こちらはうたプリを思わせる美形キャラにイメチェンしたおそ松6人兄弟が登場し、またその他の作品パロディが次々と放たれます。結果当該話数である第1話「復活!おそ松くん」はBlu-ray・DVDパッケージには収録されない異常事態になり、話題となりました*1

 

このポプテピピック1話もBD・DVDに収録されるのかは怪しいですね。先行上映会での1話と内容が異なるとの未確認情報も出ているため、最初からお蔵入り覚悟の宣伝回だった可能性もあります。

 

ただしおそ松さん1話「復活!おそ松くん」には従来の赤塚不二夫作品としての「おそ松くん」と異なり、六つ子としてのそれぞれのキャラ付けを強調するというれっきとした理由がありました(もちろん話題作りとしての狙いもあったでしょう)。

しかしポプテピピック1話はそもそも事前告知された声優が一切出てこなかったり、冒頭から『星色ガールドロップ』という別アニメが始まったり、30分内で再放送が始まるなど、とにかくツッコミを入れるときりがありません。よって、ポプテピピック1話にはどのような意図や狙いがあったのか、現時点では測りかねます。

3-2. キルミーベイベーとの比較

ポプテピピック1話放送前後にはTwitterのトレンドで「これ30分」がトレンド入りする事態となりました。体感時間が長いという意味では「キルミーベイベー」を思いおこします。

 

キルミーベイベーは本編が退屈で長く感じるという意味ではクソアニメの部類に入れてもいいかもしれません。当初は本編の退屈さやDVDなどのパッケージの売り上げの低さを揶揄する声がありましたが、のちの新作アニメ付きCDアルバムやBDBoxでは売り上げが大幅に改善しました。最初はネタになったが、のちに再評価された愛すべきクソアニメという評価が妥当かもしれません*2

 

ただしキルミーベイベーが面白さの有無はさておき、ソーニャちゃんとやすなちゃんの物語として成立していたことを踏まえると、ストーリーがほぼ皆無、パロネタ・メタネタ満載のポプテピピックとは完全に異質ととらえられるでしょう。

3-3. あいまいみーとの比較

原作が4コマ漫画(かつ出版元が竹書房系列)、アニメに実写パートが出てくる、不条理ギャグという意味では「あいまいみー」がもっとも共通点が多いTVアニメかもしれません。

 

ただしあいまいみーはTVアニメが3分程度のショートアニメです。30分尺のTVアニメ「ポプテピピック」と比べると、おそらく予算の単位も異なるでしょう*3

それとあいまいみーは狂ってるのは原作者だけですが、ポプテピピックはTVアニメ製作関係者全員が狂ってる気がしますね(偏見)。これはTVアニメ「ポプテピピック」とバラエティー番組『上坂すみれのヤバい○○』の企画の人が一緒という時点で察するべきだったかもしれません。

3-4. その他クソアニメとポプテピピックとの比較

渡辺総研は本当の意味でのクソアニメは忘れちゃうのでここは各人が思い浮かべるクソアニメと比べてみてください。

最近だと「DYNAMIC CHORD」がクソアニメと名高いとのうわさがありますが、渡辺総研はちゃんと見たことがないのであまりコメントできませんね。

またポプテピピックはニコニコ生放送アンケートにて、その結果が良くなかったとのことですが、過去にアンケート結果がひどかったアニメとして「遊戯王ARC-V」の名前も挙げられます。

ただ「遊戯王ARC-V」は歴代シリーズキャラを使いつぶすといった、シリーズファンの神経を逆なでするような展開が目立ったので、あれは本当に憎まれるという次元でのクソアニメという範疇になるのですかね*4。つまりポプテピピックにおける「クソアニメ」という言葉とは文脈が異なります。

3-5. ポプテピピックというクソアニメの確信犯

このように歴代のクソアニメと呼ばれる作品とポプテピピックを比較してみると、その最大の相違点はポプテピピックは原作者や公式が率先して「クソアニメ」というラベリングを積極的に採用していることが考えられます。

つまり従来の「クソアニメ」は消費者である視聴者側が一方的に作品に対する評価軸として用いる言葉でした。しかしポプテピピックはこの言葉を公式自らが採用しています。

この意味において「ポプテピピックはクソアニメ」という評価は公式が推奨している評価であり、視聴者と公式が同じ方向を向いていることを示唆しています。

裏を返すと、ポプテピピックはクソアニメという言葉でその品位を下げたりけなすことができず、クソアニメが正当な褒め言葉になってしまうのです。

4. クソアニメ再考論:なにをもって「クソアニメ」とするのか?

あまりがっつり考えたわけではないので簡単に書きますが、クソアニメとはなるべくしてなるわけではありません。製作が自らつまらない作品など作るわけがなく、面白い作品を作ろうと日々奮闘しているはずです*5。しかし結果として、作画の品質が間に合わないなどの事情によって、視聴者からクソアニメ認定を受けてしまうという事態が往々にしてあります。

これはTVアニメ作品の数がバブル的に増加したという事情もあると推察しますが、話が面白くても作画がひどい(と視聴者に受け止められたり)、あるいは作画はとてもすごいのに話が残念(と視聴者に解釈されたり)、といった減点方式や粗さがしによってクソアニメ認定されることが多いように感じます。これは毎クールごとの放送アニメ本数の増加、作画の平均クオリティの向上、視聴者の目が肥えたなどの要因が考えられます。

つまり評価するべき側面を持ちながらも、ほかのマイナス要因によってクソアニメ認定を受けてしまうことがあるということです。

ただこのクソアニメという言葉はガチでけなす対象として言われることもあれば、「ほかの人には勧められないが自分は好きである」という予防線的な意味でのクソアニメという使い方もされると思います。少なくとも渡辺総研は後者の意味でのクソアニメを多く知っています。

「ポプテピピック」は自らクソアニメというレッテルを掲げたことで、従来のクソアニメという字義が地滑り的に移り変わり、ある種のパラダイムシフトを起こしているようにも見えます。少なくとも渡辺総研はその観点において非常に混乱しています。そのため思考を整理する一環として、このような文章を書いているのです。

5. ポプテピピックの評価

TVアニメ「ポプテピピック」1話「出会い」がどのような意図で作られたのかはわかりません。しかし話題作りという意味では、Twitterの世界トレンド入りを果たすなど、十分その成果を果たしたといえるでしょう。

ただ作品として面白いかといわれると微妙です。現時点ではオタクとしての知識・教養を測るオタク検定という意味合いしか感じられず、また本編としての面白さも声優の演技による技巧やそのギミック(構成や実写パート)にとどまっているように見えます。

つまり作品としての肝心な評価は2話以降にかかっているといっても過言ではないでしょう。

ただ1話はクソアニメとは思えないほど予算や労力をかけている(ドット絵の力の入れようなど)こと、放送の半分を再放送にすることでアニメーションとしての製作負担を軽減していること、製作が委員会方式ではなくキングレコードの単独出資であり竹書房がかかわっていない(ように見える)ことなど、非常に仕掛けづくりというか身の振り方がうまいなあと感心しながら見てました。

ただ公式が自ら「クソアニメ」を自認することで、作品に対するつまらない評価から逃れるための「保身」にも見えるという点は議論を呼びそうですね。いずれにしてもアニメ「ポプテピピック」に肯定的な人も否定的な人も等しく「クソアニメ」と論じるのがこの作品の優れている(?)というか、面白いところだと思います。ファンもアンチも同じ評価を下すというか、その言葉の裏側の感情が異なるのに出てくる言葉が「クソアニメ」という統一単語に出力されるのは非常に興味深い現象であるという風に思う次第です。

もしかしたらこれはアニメではなく、ポプテピピックを題材にしたMADなのではないかとも思ったりします。あるいは番組というよりCM集に近いですよね。

いずれにしてもポプテピピックは本当にクソアニメなのか、あるいはクソアニメであるならばどのようなクソアニメなのか、これらを見極めるためにとりあえず全話見てみようと思います。

 

【2018年1月8日・追記】ポプテピピックが原作漫画では「クソ」を自認しているものの、公式アニメがクソを自認しているというエビデンスがないのではないかとの指摘がありました。確かに記事を書いた当初はこちらのエビデンスを把握しておらず、憶測で書いておりました。申し訳ありません。

ただしのちにTVアニメ公式Twitterでクソアニメという文言を利用していたので、少なくとも「アニメ「ポプテピピック」公式Twitterはクソアニメである旨をツイートしている」との表現が適切かと思います。

6. ポプテピピック2話を見た感想

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宣言通り2話も見ました。1話・2話を踏まえるとポプテピピックというアニメは次のようなものだと感じました。

これはある意味でエンタメ作品であることをあきらめたメタ作品ですね。企画力で殴ってベテラン声優で繋ぐという手法。サブカルの極地というか終焉にも見えます。ネタが国内向け過ぎてコンテンツの海外展開は視野に入れてないことだけはよくわかったという感じです。結論としては面白かったです。

強いて一言で言えば「声優リセマラ作品」ですね。

【その他関連リンク】

hoshiiro.jp

abema.tv

P.S. 正直言うとポプテピピックより「星色ガールズドロップ」の方が気になるんですよねー。

あとポプテピピックに文句を言っている人、気に食わないという人、名作アニメを見たいという人は、おとなしく「カードキャプターさくら クリアカード編」でも見ましょう。こっちは完ぺきに名作だから。

*1:参照元リンク:アニメ「おそ松さん」第1話がBD・DVD未収録&配信終了へ 製作委員会の判断により - ねとらぼ

*2:ちょっと書きづらいのですが、忍キャラ役の出演者の逮捕騒動がなければわりと末永いコンテンツになる可能性もあったのではないかと…

*3:ポプテピピック1話については、厳密には15分アニメの再放送込みの30分番組です。

*4:あれは信者をもアンチ化するという長期間における炎上と見るのが正しいか

*5:商業的にもクリエイター的にもあえて面白くない作品を作る人がいるなど考えづらい。